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「働く人のうつ」 睡眠不足からの「うつ」 その2  睡眠改善のためにどんな生活指導をするの? 前編

|睡眠不足への生活指導|
ここからが本編。睡眠不足の人にはすべて生活指導をします。
病状への対応の基本は生活指導です。生活習慣を変化させずに薬だけ飲ませたって効くわけがありません。
「コーヒーがばがば飲んで、眠れないから睡眠薬を飲んで、酒も飲んで、当然改善しない」なんてことが放置されているのが精神科のおかしなところです。
たぶんそういうのを期待する人はこのnoteなんて読まないから、イイですね。

|睡眠改善の目標と方法論|
まずは目標から。
不眠を訴える場合、ほとんどが「寝つきが悪い」ので、睡眠改善の目標は<24時には寝ること>です。
なぜ24時なのか? それは睡眠=心身の休息のためです。
睡眠中の心身の休息には、睡眠中に分泌される「成長ホルモン(以下GH)」が強く影響します。
このGHは1時から3時の間に最も活発に分泌されます。
なので、区切りも良いところで<24時には寝ること>を目標にします。
で、物事を改善させる方法は決まっています。
「悪いことを減らす」+「良いことを増やす」、これだけです

|睡眠に「悪いことを減らす」|
減らしたいのは、

  • カフェインの刺激
  • アルコールの刺激
  • 煙草の刺激
  • 光の刺激
  • 音の刺激

といったところです
ひとつずつ解説していきます。

|カフェインの刺激|
カフェインはいわずと知れた覚醒物質です。
その名前の由来でもあるコーヒーに含まれるのが代表例ですが、その軽い苦みが美味しさの素でもあり、紅茶にも緑茶にもカフェインは含まれます。
問題はその覚醒作用の持続時間です。どのくらい続くと思いますか?

相談者に質問すると30分から3時間くらいと答える方が多いです。
「夕食後までコーヒー飲んでます」なんて人は少なくないです。

私のお伝えする答えは「8時間」です。
(薬理学的にはカフェインの血中半減期は6時間。易覚醒状態なので8時間)
なので「『15時のお茶』以降、出来れば昼食後はカフェイン抜き!」と指示します。

|アルコールの刺激|
「アルコール性うつ」の項で書いてきましたが、アルコールは睡眠阻害物質です。
「眠れないから酒飲んでます」なんて人もざらにいますが、睡眠の質を悪化し、睡眠時間も短縮します。
なので「良くなるまでは禁酒!」「良くなった後も楽しいお酒だけ!」です。
詳細は「アルコール性うつ」の項をどうぞ。

今回はここまで。もう少し続きます。